腱鞘炎(けんしょうえん)とギターの関係

 今日は日曜日。ペペタスギター教室は、定休日です。今日は「腱鞘炎とギターの関わり」の話を書きたいと思います。
 多分、長くなるので何度かに分けて。腱鞘炎や、コリ、痛みに悩むギター愛好者の皆さんの参考にしていただきたいと思います。
 初めに明言しますが「クラシックギター、アコースティックギター、エレキギター」、そしてジャンルに関わらず、「全ギターに共通して」言えることです。
 なぜ、この話題をブログで取り上げようと思ったか?なのですが。最近、当校に入学してくる方で「腱鞘炎で悩んでいる」「症状がひどく、ギターを弾くことを休止している」という方が多いのです。
 皆さん、当校のHP内「リハビリコース・コンテンツ」や「腱鞘炎がらみの”生徒さんの声”」などをつぶさにご覧になっての【問い合わせ~入学】です。
 彼等の共通の特徴は、一言。「ひどいフォームで弾いている」ということに尽きます。
「ひどいフォーム」とは何か?と定義すると「著しく、体に負担を掛ける運動行為」と言えます。
 腱鞘炎発症中の痛みは「炎症」なので、症状がひどい場合、一定期間は原因行為を休止して、筋肉や関節、筋などを休め、炎症を鎮静させることが必要です。
 が、その段階でいくら治療をしても「原因行為を矯正しない限り、何の解決にもならない」ということです。
 当校に入学なさった「腱鞘炎がらみ」の生徒さんの多くは「数年以上、他のギター教室でレッスンを受けている」ケースが多いです。
 で、彼等の当校「体験入学時」には、その方から詳しく話を伺うわけですが、「腱鞘炎による痛みやコリ」を訴えるのと同時に「この部分がどうしても弾けない」といった「メカニカルな問題」を訴えるケースが多いです。
 そして、その多くは「2~3分で弾けるようになりました」。体、腕、指の使い方を「具体的にこのケースは、ここでこうして、そこでああして」と数点、
・指示し
・やって見せて、
・2~3回繰り返して練習してもらいます。
この全行程が2~3分です。
 そして、何年かけてもうまくゆかなかった部分が弾けてしまうわけです。
 私は、この劇的な成果が出るのは当然だと思っているので、一向に驚きませんが、当の本人は「!」。かなりびっくりする方が多いですね。
 そして「今まで自分が如何に”ダメな弾き方”をしていたかを確信する」のですね。
 その「ダメな弾き方」を教えていたギター教師は、ハッキリ言って「あらゆる面で、プロと呼んではいけないレベル」なのでしょう。
 まず「自分のギタリストとしてのレベルの低さが、すべての原因になっている」のは勿論ですが、「腕、指、肩、首、腰、背筋などの痛みや障害を訴える”自分の生徒”の声」に「自分の全能力、熱意」を傾け修正しようとしないこと自体、「許せないこと」と言えるでしょう。
 なぜその程度の「風上にもおけない破廉恥なギター教師」が、自由経済の日本でまかり通るのか、私は不思議でなりません。
 多くの一般消費者は、商品購入のときは「価格、品質、販売店のサービス」などをじっくり検討するのに、ギター教師を選ぶ時は、なぜ同じレベルの「検討が出来ない」のか?
 それは「何をもって、そのギター教師が優れているか、イカサマかの判断が難しい」と思っているからでしょいう。
 結論から言います。以下の点が満たされていないものは、「ダメなギター教師」と判断して良いでしょう。
・教師自身がレベルの高い演奏者であること
・フォームやスタイルを「限定」し、それを押しつける
・教えるときに、演奏方法を「箇条書き」のような明確さで言語化出来る
・質問に対し、「多面的に複数」の回答が出ない
・テキスト(教本)などを使用し、それを重視している
・生徒さんが「何がしたいのか?」を重視、優先しない
・生徒が何かを選択する場合、メリット、デメリット両面を、論理的に説明しない
・全てにおいて、論理的で明確、理路整然と理解させる説明、解説を常にしている
・理想的な弾き方を認識させない状態で「繰り返し弾く(練習)」ことを要求する
などなど、思いつくままに書いてみました。もちろん、総合能力の問題なので簡単には全貌をお伝え出来ないのですが、上記の一点でも欠落していたら、「あなたの先生は、ダメなレッスンプロ」と断定してかまいません。
 長くなったので、又次回に続きますが「腱鞘炎とギターの関わり」を考える場合、「看板として、それをうたっているのに、その教師自身が腱鞘炎発生の原因の本質について、正しく理解していない」場合も多いようなので、今日は最後にそれを書きます。
 「弦高、ギターのセッティングや調整、ギターの品質」は、「もちろん原因の一部である」ことは間違いないですが、2次的、3次的な遠因であって、まず最初に論じることではありません。(ビギナーの場合は大いに関係します。しかし、ビギナーの段階から”腱鞘炎へ一直線”な人なんて、多くはないでしょう?)
 パパ(ペぺ・ロメロさん)のコンサートギターの多くは、テンション(弦の張り)は非常に強く、決して「弾きやすい(皆さんが思うレベルで)」ものではありません。
 それは、数千人規模のコンサートホールで、オーケストラと対峙するわけですから、「ギターから如何に、遠達性に優れた、遠くまで豊潤な音色で聞こえる音を引き出すか」が最重要課題なわけです。
 したがって「理想的な演奏原理を実現でき、身体に負担の少ない方法(フォームなど)」を「知り~理解、認識し~実現すれば」腱鞘炎は、極めて発生しづらいはずなのです。
 故に、「ギターの状態うんぬん」を「腱鞘炎の原因、または対策」の「主要因」に考えている程度のレッスンプロは、これも「?」と判断してよいでしょう。
 ギター演奏時の「演奏理論・運動理論」を「認識できていない」可能性があるのですから。
 手厳しくなってしまいましたが、多くの「腱鞘炎に悩むギター愛好家」が「ダメなギター教師の導き」によって生産されている現状に、私は同業者として憤りを覚えているので、厳しく書きました。
 そんな輩には、「恥を知ってほしい」し、「すぐに猛省し心を入れ替え、精進し勉強し、自身が”ギター演奏を極めよう”と取り組んでほしい」と願ってやみません。

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